2011年5月28日土曜日

映画「100000年後の安全」を観てきた。

テアトル梅田で上映された原発に関するドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」を観てきた。この映画は、フィンランドで現在建設中の世界初の放射能廃棄物の最終処分所を舞台としたドキュメンタリー作品。




※ネタバレなので、今後この映画を見に行く予定のある人は、これより先は読まない方がいいです。


福島第一原発を事故をきっかけに、現在日本国内では、脱原発を唱える人たちが沢山出てきて、今後の我が国のエネルギー政策を大きく見直さないといけない時期に入ってきている。

個人的には、やはり将来的には原発を段階的に廃止していくべきで、自然エネルギーを活用した発電の比率を高めていくべきと考える。しかし、脱原発に当たっては大きな問題がある。それは、今まで原発で使用した放射能廃棄物をどのように処理するかということ。残念ながら、我が国では、まだ放射能廃棄物の最終処分所は存在していない。というよりか、まだ何処に建設するかも決まっていない状況・・・今のところは、青森県の六ヶ所村というところで、一時的に保管している状況らしいが、ここはまだ最終処分所というわけではない。

話を戻すと、現在建設中のフィンランドの最終処分所「オンカロ(フィンランド語で"隠し場所"の意)」は、100年単位の国家プロジェクト。フィンランド国内にある、とある島に、地下500mぐらいまで掘り下げて、使用済み核燃料を埋めるということ。100年後には、すべての使用済み核燃料を埋め、そしてオンカロ丸ごとコンクリートで固めて封印。その後は、基本的には放置して、もう誰も立ち入れないようにするという。

しかし、放射能物質が無害化するには、10万年かかると言われている。

ここで問題になってくるのが、10万年もホンマに保管できるのかということ。10万年って、もう途方も無いくらい未来で、地球がどうなっているかもわからないし、人類がどのようになっているのかも分からない。

たぶん、10万年後となると、テクノロジーがハンパ無く発達しているか、それとも、核戦争などが原因で、「北斗の拳」のような世界になっていたり、はたまた、原始時代のような生活スタイルになっているかもしれない。そして、英語や日本語なんて、多分10万年も立てば、原型をとどめていないぐらい変化しているかもしれない・・・オンカロの出入口に「放射能物質があるよ、入るな」と記されても、ちゃんと理解されるのかも怪しい。。。

こういう、一番予測不可能人類の行動が、もしかすると、10万年以内に再びオンカロの封印を開けるかもしれない。もしかすると、何も知らずにこの封印を解くかもしれない。そうなってくると、また人類というよりか地球の危機が。。。。

この映画を見終わって思ったのが、この問題は、現世に生きる我々人類の大きな宿題なんだなーと。そして、もう既に何十年も原子力を使ってきているわけですから、時既に遅し。

本当にどうするのかを我々、ひとりひとりがこのことを考え、議論していけないと思った。「脱原発」だけでは済まされない大きな問題。脱原発だけを叫んでも、無責任なのかしれない。

我々人類が手にした新しいエネルギーであり、禁断のツールであった原子力の火の後始末をやっていかないといけないと。。。

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